2020/11/8 第2回文学ワークショップ

文芸エム編集部主催第二回文学ワークショップが10 月8 日、大津市市民活動センターにて開催されました。わかりやすく体験的に「書く力」を学ぶことを目的とする企画です。事前申し込みの4 名のほか、フェイスブックのイベント広告やチラシ、掲示板ポスターを見た方々など、合計10 名の参加でした。
最初に講師の文芸エム編集長・原浩一郎氏から、「主観を排し五感がとらえた世界を文章で正確にデッサンする力が文章力の基礎になる」というワークショップのテーマが強調されました。<文章デッサンⅠ>ではウォーミングアップとして、「人物デッサン」。「40 代に見える」という言葉に気をよくした講師は、次に室内の「情景デッサン」、そして「事件デッサン」へと楽しくワークを進めていきます。
今回はさらに<文章デッサンⅡ 街角編>が新たに企画されました。街の正確な客観描写を基礎に、主観的印象を交えて「私」がその街ならではの事件を体験するという設定です。参加者は会場から浜大津の街に飛び出し、構想を練って帰ってきます。そして机に向かい、恐るべき集中力で物語を書きつけていきます。その後の分かち合いでは、短時間で書かれたとは思えない独自の世界観を持った物語の断片が次々と発表され、思わず拍手や歓声が沸き起こりました。
<詩作のワーク>では「言葉にならない感情や体験」を安易な直接的感情表現に頼ることなく、「いちばんうまく言葉で表現できた」と自分で感じたら、それがもう立派な詩であると解説され、直喩や暗喩、押韻を使った技法が例示されました。そのうえで参加者は、これまでに体験した印象的な事件や感情を描く詩表現のワークに向かいました。
また参加者からの質問に答えて、できるだけ短く簡潔な表現やリズム感を変える語尾の変化、接続詞の工夫など文章のトレーニング法について講師からアドバイスがありました。
ワークショップ全体の振り返りでは、刺激になった、驚くほど文章が書けたと興奮気味に話される参加者の姿がとても印象的でした。(スタッフ 月川奈緒)