「蜜のあわれ」

良かった。
面白かった。
しかし、あの原作をここまで豊かに映像化した監督の力量はすごいと思う。
千変万化の二階堂ふみ。独壇場。
大杉漣の老いぼれ駄目作家ぶりもしびれた。
あんなに二階堂ふみ魅力的に撮っているのに、真木よう子は綺麗に撮っていない。ふみちゃんの引き立て役。
あとは芸達者ばかり。
映像美と音楽。「水の中の八月」をやたら思い出した。
そういえばあれも生命とか死とか存在の根とか魂とかをテーマとしていた。めちゃ美しかった。
今回も水。水に惹かれてるんだ監督が。
しかし、シリアスとすっとぼけの交差、エロスに老いを交えると滑稽。赤子の尾びれに恍惚とする先生。ポコチンが勃ったことに狂喜して、大喜びで愛人とまぐわろうとするが、興奮のあまりしこたま背中を打って駄目になり、ぶち切れる。いいね!

京都駅で待ち合わせ、一緒にラーメン食ってから、映画を見た。彼女は森茉莉つながりで室生犀星の原作を読んでいた。映画終わったのは11時15分。観客は僕ら含めてたったの四人^_^;。お互い映画は十分に満足。あれこれ映画のこと話しながら、駅から歩いて40分、家に着いたのは12時まわっていた。
いい時間だった。