「砂の器」

「砂の器」を観てきた。
今年最後の「午前10時の映画祭」だ。
やはりスクリーンで観るのはいい。
昭和10年代の山村の橋がコンクリートであったり、道が舗装されていたりといった若干興ざめの部分があるが、これは制作センスの問題ではなく、単純に予算上の様々制約なのではないかと想像した。途中から推理捜査を飛び越えて一気に捜査会議上で真相を明かすシナリオ構成、親子の過酷すぎる道行きの映像を畳み掛け、そこに音楽「宿命」の劇的なメロディを重ねる。見事だと思う。やはり、映画のセオリーを理解していないといけないのだろうか。脚本作りの一部教科書本にはストーリーのパターンと映画のセオリーをもとに構成することとなっている。僕はそれほどの映画マニアではないから、そんなセオリーなんて知らない。なんか抵抗がある。

今年、いろんな映画を見た。
良かったのは河瀬直美監督の「あん」。
そして、やはり「七人の侍」であり「生きる」。黒澤作品はいずれも「午前10時の映画祭」。来年もあるらしい。ぜひ黒澤の「白痴」をじっくりスクリーンで見てみたい。