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悲劇の所以

悲劇、つまりその物語が喜びや楽しさよりも悲しみを描くもの。希望や安堵を最後に与えるのでなく、「救いのない」物語。それが古くから演じられ描かれてきたのはなぜなのか。その理由ははっきりとわかる。この世界が、人が生きるということが、決して最後に救...

9.8文学フリマ大阪-書くということ

イベント開催の間もずっと考えていたのは、ここに集まった人たちにとっての「書く」という行為の意味合いについてだ。来場者ではない。出店者についてだ。なぜ書くのだろう。まるで他人事のようだが、それは私が書く「理由」についても明らかにしてくれるよう...

高橋和巳「散華」1963

 先日、或る芥川賞作家が選考委員となっている比較的小さな文学賞に応募し、受賞は果たせなかったが最終選考に残ることができた。相変わらず書いては応募を続けているのだが、このところ早々に返り討ちに遭うことが続いていた。応募三〇〇人レベルだとトップ...

劇団パトスパック「永遠ノ矢=トワノアイ」2019

 もちろん文学は道徳や倫理すらも俎上に載せる地平から立ち昇るものだ。だから本来タブーもない。文学はそれゆえに私たちの日常を見えないまま支配している「前提」を対象化させその安寧を突き動かす。前提による安心に執着する精神にとって、それは不快であ...

自転車琵琶湖一周2019

今年もまた去年のように猛暑が続くとはつい先日まで想像もされなかった。七月下旬になっても鬱々と雨が降り続いていた。ようやく一日曇り空が持ちこたえてくれそうに思われた25日、自転車で琵琶湖一周に向かった。いわゆる「ビワイチ」である。 なんとか「...

異界と現世をペーストする~安田登@山本能楽堂

念願していた安田登さんの講座をお聞きすることができた。大阪山本能楽堂の伝統芸能塾まっちゃまちサロンだ。時間も短く、また入門講座なので深淵なテーマもさらりと語られるにとどまったが、いくつかとても感じ入る話があった。 能の主人公に当たるシテに対...

パステルナーク「ドクトルジバゴ」(1957/1965)

ロシアを舞台とした映画をたて続けに見た。「ドクトルジバゴ」「レッズ」、そして「ひまわり」。 「ドクトルジバゴ」はパステルナークの小説の映画化である。見たいと思いながら一度も機会がなかった作品だ。敬遠した理由のひとつには上映時間が3時間を超え...

世界スタンダードとしてのK-POP

先日、奥田民生とYouTube音楽部門トップとの対談番組があった。コーエンというその音楽責任者が言っていた。 「日本には素晴らしいアーチストがいて素晴らしい。しかし例えば韓国のような小さな国が世界を相手にして音楽を発信しているのに、日本はど...